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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第51章 《巻の四―花の別れ―》
「死にませぬ、殿は死んだりはなさいませぬ」
「そうか、ならば、せめて次に目覚めるまでは俺の側にいてくれ。そなたがいなくなったら、俺は真に死に神に連れてゆかれそうだ」
 泰雅が訴える。
「判りました。私はずっと、ここに、お側におります。それゆえ、今はどうかご安堵召されて、お寝みあさばされませ」
 そのひと言に安心したのか、泰雅は精も魂も尽き果てたように眼を閉じ、すぐに寝息を立て始めた。泉水の手を掴んだまま、子どものように安らいだ表情を浮かべている。
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