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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第51章 《巻の四―花の別れ―》
泉水は、泰雅の腕をそっと外し、すっかり細くなってしまった手を布団の中に戻した。
泰雅の寝顔をしばらく黙って見つめた。
狂おしいまでの愛で泉水を翻弄した男。
烈しすぎる愛で泉水を支配しようとした男であった。その愛に絡め取られ、がんじがらめにされるのが嫌で、泉水は何度もこの男の側から逃げ出した。その度に、運命は泉水を再びこの男の許へと運んだ。結局、この男との泉水の縁(えにし)は途中で途切れることなく今日まで続いていたのだ。
泰雅の寝顔をしばらく黙って見つめた。
狂おしいまでの愛で泉水を翻弄した男。
烈しすぎる愛で泉水を支配しようとした男であった。その愛に絡め取られ、がんじがらめにされるのが嫌で、泉水は何度もこの男の側から逃げ出した。その度に、運命は泉水を再びこの男の許へと運んだ。結局、この男との泉水の縁(えにし)は途中で途切れることなく今日まで続いていたのだ。