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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第51章 《巻の四―花の別れ―》
 江戸は今、梅が盛りである。春の風に乗って梅の香が流れてきて、勘七は団子鼻をしきりにひくつかせた。
 どこかで鶯が啼いている。
 勘七はいつになく弾んだ気分になって、滅多と吹かない口笛を吹いた。



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