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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第55章 第一話 【春雷】
「泉水さまですか?」
 声もやや低くなっている。半年前に見た祐一郎とのあまりの変わり様に、泉水は少し戸惑った。
「はい。貴方さまは、祐一郎さまでございますね」
 念を押すように問わずにはいられない。
 祐一郎は、やわらかく微笑んだ。そうやって笑うと、泉水がよく知る優しげな笑顔になる。泉水は何故か、そのことに安堵を憶えた。
 祐一郎にじっと見つめられ、泉水は我知らず頬が染まるのが判った。
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