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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
 泉水がキッと眦をつり上げた。
「それでは訊くが、昨夜の殿のあの到底ただごととは思えぬ深夜の外出については、何と申し開きを致す所存じゃ? あれも真は、そのお手つきの女子とやらよりの呼び出しではなかったのか? 仮にも榊原家の当主たるおん方が女に呼ばれて、真夜中に飛び出してゆかれるなぞとーお家の対面にも拘わること。それほどのことがお判りにならぬ殿ではあるまいに」
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