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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
つまりは、それほどまでに、その女に惚れている、骨抜きにされているということなのだ。
「愚かと申すのならば、そんな一大事をこれまで知らなかった私こそが愚かであった。皆はすべてを知り、当事者のこの私だけが何も知らず、知らされぬままであった。この屋敷の者どものはすべて、私を陰でさぞ浅はかな女とあざ笑うておったことであろうよ。女好きと評判の良人が側妾のみではなく、子までなしていたと、そんなことも知らぬ無知な女とー」