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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第57章 《壱》
 幸いにも、実家の近くの小間物問屋の倅は維助の幼なじみであった。その幼なじみ順太郎の口利きで維助は、その店で自分の作った簪を売って貰えることになった。むろん、順太郎の父清右衛門が維助のこしらえた簪を検分した上でのことである。
 清右衛門は、維助の飾り職としての腕を高く評価した。
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