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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
 考えていると、あまりの情けなさと悔しさで涙が溢れてくる。泉水は唇をきつく噛みしめた。あまりに強く噛んだため、口中に鉄錆びた血の味が苦くひろがる。
「お方さま、よくお聞きになって下さりませ。これは恐らくは何かの間違いに相違ござりませぬ。こちらの殿に限って、そのようなことをなさるはずがございませぬ。殿はお方さまただお一人をおん大切にお思い遊ばされていらせられます」
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