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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第57章 《壱》
 維助は我を忘れて、仕事に打ち込んだ。人は時として哀しみの中から思いもかけぬ美しい花を咲かせるものだ。維助は次々に洗練された作品を生み出していった。
 そして、彼はいつしか悟ったのである。幼なじみの忠言がけして良い加減ではなく、むしろ、的を射ていたものであったことを―。
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