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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第57章 《壱》
「おはようございます」
 鈴をころがすような声、とでも言うのだろうか。
 初めて耳にする女の声に、維助は情けなくも初めて我に返る。まるで女と自分を取り巻く周囲だけが別世界で、刻が止まっていたようにすら思えた。女のひと声で、止まっていたかに思われた刻が再び動き出す。
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