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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
「何が、どう間違いだと申すのであろうか。私が耳にした噂では、こたびの一件は既に殿のおん母君さまがお認めになっていらっしゃるとか。今更、私などが何を申し述べたところで、事態は何も変わらぬ。もっとも、殿にお子がお生まれになるというのは、この榊原の家にとりては実にめでたきこと。私も正室として世継ぎ誕生の暁にはお祝いをお贈りせねばなるまいな」
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