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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
 泉水は泰雅の母景容院と対面したことはない。景容院は十三年前、良人が亡くなったのを機にこの屋敷を出て、現在は町中の屋敷でひっそりと暮らしている。が、仮にも榊原家の当主の母であり、その父は先の老中水野大膳であり、母は将軍家の姫であるという高貴な生まれであった。景容院は榊原家において、いまだに隠然とした影響力を持っている。その景容院が泰雅の隠し女を認めとているというのだ。いわば、泰雅の母公認の侍妾であった。
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