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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第57章 《壱》
 それからは更に細工に打ち込み、簪は八日めの夕方―今日、やっと出来上がった。維助は、差し込んでくる夕陽にたった今できあがったばかりの簪をかざしてみる。桔梗と萩を象ったそれは、今の季節にふさわしく、萩の細やかな花びらは今にもはらはらと散り零れそうにさえ見える。
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