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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
 泉水の瞼で、淡い水色の花が揺れる。
 すべてが灰色一色に塗り込められた背景の中、そこだけ清々しい色に染めていた花を何故か愛おしいと思った。
 時橋が控えめに応える。
「あのお庭は景容院さまがご丹精なされしお庭にて、あちらのお花は頂くとすれば、殿のお許しを頂かねばなりませぬが、いかがいたしましょう」
 泉水は少し眼を見開き、伏せた。
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