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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第58章 《弐》
「そうですか? それじゃあ、せめて、これを持って帰って召し上がって下さいな」
 つと立ち上がり、小皿に取り分けただし巻き卵を持ってくる。
「どうぞ」
 皿ごと手渡され、維助は小さく頭を下げた。
「いつも済まねえ」
「いいえ、お礼を言わなきゃならないのは、私の方です。うちのお征が浅ちゃんたちに苛められたところを維助さんに助けて貰ったって。本当にありがとうございました」
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