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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第58章 《弐》
「そうかい、そいつは良かった。丁度、今時分に咲く花だからと思って何の気なしにその花にしたんだけど、歓んで貰えたのなら、良かった」
 おせんの笑顔が、歓びが何より嬉しい。精根込めて作った甲斐があったと心から思える。
 その時、ふと、おせんが何かを懐かしむ口調になった。
「この花、死んじまった亭主の想い出の花なんです」
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