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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第58章 《弐》
 おせんの眼がわずかに見開く。
「ええ、亡くなって、もう七年になります」
「病か何かで?」
 しばらくの静寂。
「お征、少し外で遊んでおいで」
 わずかに表情を緩め、そう言ってやると、お征は素直に〝うん〟と頷いて、駆け出していった。お征が出ていって、気配が完全に絶えたのを見届けたように、おせんのまなざしが深くなる。
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