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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第60章 《其の壱》
 貴美子の眼には涙が宿っていた。女として生まれたからには、母になりたい、母親として一つの生命をこの世に送り出し、そのかけがえのない生命をこの胎内で育んでみたいのだと―と、貴美子の真摯な瞳は語っていた。
 そのためには、一つの新しい生命を送り出すためには、この生命を引き替えに、犠牲にしたとしても構わないのだと。
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