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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
 昨夜、泉水は頭痛を言い訳に泰雅のお召しを辞退した。夜伽を拒むのは初めてのことであったが、泰雅からは身体を大事にして養生するようにという伝言が伝えられたのみであった。
 うつろい易いのは人の心。
 どうも、次第に色を変えてゆくこの花を見つめていると、そんなことを考えしまう。うつろってゆく花の色をつい人の心になぞらえてしまうのだ。
 泉水がほろ苦く微笑した時、襖の向こうに人の気配がした。
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