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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第60章 《其の壱》
陶磁器のようなすべらかな膚、黒曜石のような冴え冴えとした瞳、朱を点じたような形の良き唇、本当に人形のようにきれいな美しい姫君だった。この世にこれほど美しき姫君がいるものかと、弥子は幼いながらに眼を見張って小さな女主人を眺めたものだ。むろん、朧な記憶でしかないけれど、そのときに感じた愕きだけは今でも鮮明に憶えている。
―これよりは、そなたは、この姫君にお仕えし、いかなることがあっても、姫君をお守りし、そのお力にならねばなりませんよ。
―これよりは、そなたは、この姫君にお仕えし、いかなることがあっても、姫君をお守りし、そのお力にならねばなりませんよ。