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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
 これについて、榊原家に仕える家臣一同は、
―殿はお方さまにはお弱い。
 と、露骨に顔をしかめた。
 実際のところ、泰雅の泉水への寵愛は度を超していると思えなくもない。婚儀を挙げたばかりの頃は、泰雅が奥向きに脚を踏み入れようともせず、折角迎えた正室とも閨を共にしないことに難儀したものだった。
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