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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第60章 《其の壱》
 産湯を使った赤児が絹の産着に包まれ、貴美子の許にやって来る。産婆は生まれたばかりの赤児を貴美子の隣にそっと寝かせた。
 貴美子に似て、色白で眼鼻立ちの整った愛らしい姫だった。貴美子は嬉しげに微笑み、慈しむようなまなざしで生まれたばかりの我が子を見つめる。出産でやつれてはいたものの、このやわらかな包み込むような笑顔は、弥子がこれまで見た中で最もきれいなものに思えた。
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