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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第60章 《其の壱》
異変が起こったのは、姫君が生まれて更に半日が過ぎた頃のこと。丁度、貴美子が産気づいてから丸一日が経とうとしていた。
貴美子が発作を起こしたのだ。貴美子は侍医が止めるのも聞かず、産褥に起き上がって赤児に何度か乳を含ませた。そのときも何度目かの授乳を終えた直後であった。
突如として胸を押さえ、うずくまった貴美子を見て、弥子は悲鳴を上げた。
「奥方さま? いかがなされました」
隣室に控えていた侍医がすぐに駆けつけ、貴美子の脈を見るなり険しい顔になった。
貴美子が発作を起こしたのだ。貴美子は侍医が止めるのも聞かず、産褥に起き上がって赤児に何度か乳を含ませた。そのときも何度目かの授乳を終えた直後であった。
突如として胸を押さえ、うずくまった貴美子を見て、弥子は悲鳴を上げた。
「奥方さま? いかがなされました」
隣室に控えていた侍医がすぐに駆けつけ、貴美子の脈を見るなり険しい顔になった。