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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第61章  《其の弐》 
 どこからか、秋の野のような清冽な香りが漂ってきた。夜風に乗って運ばれてくる花の香りを、弥子は胸一杯に吸い込む。
 何の花の香りであろうかと、何げなく周囲を見回すと、庭の片隅で群れ咲く馬酔木の花が眼に映じた。
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