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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第62章 花随想Ⅳ~時橋について~
既に新シリーズ〝天つみ空に〟の方も全四話で完結しており、新たな作品の構想を練っている今、いつまでも終わった作品に未練を残していても意味がないと判断したからです。愛着と未練、もしくは執着は違いますから。
そんな意味で、この〝決意〟は思い入れのある〝蝴蝶の夢〟を締めくくる大切なトリの作品、また新しい歳を迎えて初めて書いた作品となったのですが、いかがでしたでしょうか。私としては肩肘張らずに書きたいままに書きました。
最後に一つだけ、この愛すべき作品に関してひと言。
実は、この作品はかなりの長編になりましたが、私としては気に入っているのは前半、泰雅と泉水がまだ睦まじい夫婦だった時代よりも、後半の二人の心が離れてしまい、それぞれの葛藤を描いた方なのです。書き始めた当初は後半からの展開は全く想像すらしていなくて、第二巻の途中辺りで、ふと後半は全く違った路線でいってはと思いついたのが、そもそもの始まりでした。
いきなり話が一八〇度どころか三六〇度大転換するため、果たして、上手くゆくかどうか、正直なところ、一抹の不安もありました。しかし、第一、二巻の流れのまま、ほのぼのとした夫婦の純情ラブストーリーというのは、何か書き手として物足りなさを感じていたのです。それで思い切って話の流れを正反対に変えたのですが、自分としては、やはりそれで良かったと思います。
本当の愛を見つけるまでの泉水の葛藤、泰雅の嫌われていると知りながらもなお、泉水を忘れ得ない壮絶なまでの愛、二人のけして相容れない運命を軸に、自分の書きたいことは、ほぼ作品の中で書き尽くせたという感があります。
そんな意味で、この〝決意〟は思い入れのある〝蝴蝶の夢〟を締めくくる大切なトリの作品、また新しい歳を迎えて初めて書いた作品となったのですが、いかがでしたでしょうか。私としては肩肘張らずに書きたいままに書きました。
最後に一つだけ、この愛すべき作品に関してひと言。
実は、この作品はかなりの長編になりましたが、私としては気に入っているのは前半、泰雅と泉水がまだ睦まじい夫婦だった時代よりも、後半の二人の心が離れてしまい、それぞれの葛藤を描いた方なのです。書き始めた当初は後半からの展開は全く想像すらしていなくて、第二巻の途中辺りで、ふと後半は全く違った路線でいってはと思いついたのが、そもそもの始まりでした。
いきなり話が一八〇度どころか三六〇度大転換するため、果たして、上手くゆくかどうか、正直なところ、一抹の不安もありました。しかし、第一、二巻の流れのまま、ほのぼのとした夫婦の純情ラブストーリーというのは、何か書き手として物足りなさを感じていたのです。それで思い切って話の流れを正反対に変えたのですが、自分としては、やはりそれで良かったと思います。
本当の愛を見つけるまでの泉水の葛藤、泰雅の嫌われていると知りながらもなお、泉水を忘れ得ない壮絶なまでの愛、二人のけして相容れない運命を軸に、自分の書きたいことは、ほぼ作品の中で書き尽くせたという感があります。