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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
 琢馬の口調の歯切れが悪かったのには、それなりの理由があった。そのことを、泉水はすぐに知ることになった。
「既にお聞き及びとは存じませんでしたが、実は、その女が一昨日の夜、極秘裏に出産したとのことにごさります」
「何と、既に身二つになったと申すか」
 それには泉水よりは時橋の方が驚愕の声を上げた。泉水はまるで静まり返った湖のように、何の反応も示さない。
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