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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
一昨日といえば、泰雅が夜半、慌ただしく出かけていった夜だ。そうか、これですべての辻褄が合う。あの夜、泰雅の情けを受けた女は子を産んだのだ―。恐らくは女が産気づいたとの報告を受け、泰雅はああも慌てて出かけていったに違いない。
そして、駆けつけた泰雅の見守る中、女は滞りなく出産を終えたのだ。
「はて、それが何とも申しまするか、その女が子を産んだという場所がまた何とも―」
琢馬は苦虫を噛みつぶしたような顔で口ごもった。