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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第7章 《巻の弐》
「琢馬、よう知らせてくれた。時橋、私からも何か祝いの品を贈らねばなるまいが、私にはそのようなもの、何を贈れば良いか、とんと判らぬ。済まぬが、適当な品を見繕い、私の名で届けておいて欲しい」
 人は本当に哀しい時、涙さえも出ないのだと、この時、泉水は初めて知った。生まれた子が姫であろうが若であろうが、そんなことはどうでも良かった。
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