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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第9章 《巻の四》

以来、榊原家ではその壺を家宝として歴代当主は大切に引き継いできた。その品を、泰雅の近習の少年が割ってしまったのだ。丁度、その日は蔵から収蔵品を出し、虫干しをすることになっていた。初代将軍から賜った大切な至宝は蔵の奥深くにしまい込まれ、厳重に守られているのだ。
壺を二人がかりで運び出す際、一方の少年が誤って手を滑らせてしまったのだ。事は重大であった。一体、その少年の処分をどうするのか、老臣たちは顔を見合わせた。が、泰雅はこともなげに言った。
壺を二人がかりで運び出す際、一方の少年が誤って手を滑らせてしまったのだ。事は重大であった。一体、その少年の処分をどうするのか、老臣たちは顔を見合わせた。が、泰雅はこともなげに言った。

