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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第9章 《巻の四》

半月ほど前、泰雅は、和泉橋のたもとで一人の女を助けた。女は橋から身投げしようとするほど、追い詰められているようであった。その女が身ごもっていることもあり、泰雅は女を母景容院の住まいに連れてゆき、そこで置いて貰うことにした。女の名は、おそのといった。歳は二十歳になるという。
よくよく事情を聞けば、女は小さな料理屋に仲居として勤めていた。料理屋といっても、一膳飯屋を多少マシにした程度の小体な店だった。そこで身なりも男ぶりも良い商人風の若い男と知り合い、相惚れの仲となった。
よくよく事情を聞けば、女は小さな料理屋に仲居として勤めていた。料理屋といっても、一膳飯屋を多少マシにした程度の小体な店だった。そこで身なりも男ぶりも良い商人風の若い男と知り合い、相惚れの仲となった。

