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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第9章 《巻の四》

そこまではよくある話なのだが、この先がいけなかった。男はさる呉服問屋に奉公する手代であり、その話に嘘はなかった。しかし、
奉公先の一人娘と所帯を持って婿養子にという話が急浮上し、二世を誓ったおそのをあっさりと捨て、その店の若旦那におさまる道を選んだ。その時、おそのは男の子を身ごもっており、しかも既に産み月に入っていた。
おそのは男の仕打ちに絶望し、生きる希望を失った。これ以上の手酷い裏切りはないように思え、生きてゆくことさえ空しくなった。
奉公先の一人娘と所帯を持って婿養子にという話が急浮上し、二世を誓ったおそのをあっさりと捨て、その店の若旦那におさまる道を選んだ。その時、おそのは男の子を身ごもっており、しかも既に産み月に入っていた。
おそのは男の仕打ちに絶望し、生きる希望を失った。これ以上の手酷い裏切りはないように思え、生きてゆくことさえ空しくなった。

