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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第9章 《巻の四》
「泉水には辛い想いや余計な心配をさせちまった」
 泰雅が心底済まなさそうに言うのに、泉水は笑って首を振った。
「それで、お子は無事に生まれたのでございますね」
 念を押すように言うと、泰雅は頷いた。
「ああ、三日前の夜、無事に生まれた。女の子だそうだ」
 ああ、やはりと思う。三日前といえば、泰雅が急に出かけていった夜だ。あの日、おそのは産気づき、女児を産み落としたのだろう。
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