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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
 だが、泉水は時橋に怒られるのは嫌いではない。―なぞと言えば、時橋は余計に怒り狂うだけだろう。幼くして母を亡くし、父源太夫は泉水には優しかったけれど、公務が忙しく、なかなか遊んで貰えることなどなかったのだ。その中で、時橋の存在だけが泉水にとっては心のよりどころであった。時橋がいなければ、泉水の子ども時代は随分と味気ないものになっていただろう。
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