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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第11章 《巻の壱―予期せぬ災難―》
 刹那、逞しい腕で抱き上げられた。
「おい、動かして構わねえのか? 頭を相当打ってるようだぜ」
 別の男の声がして、誰かが応えている。
「このまま炎天下で医者が来るのを待ってるより、早く涼しいところに連れていって方が良い」
 落ち着いた声が応え、泉水はそのまま自分が誰かに運ばれてゆくのを感じた。ざわざわとした話し声が次第に遠ざかる。
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