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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
誠吉は家で仕事をすることが多い。従って、二人で過ごす時間も多く、泉水は仕事の邪魔にならぬように気を遣った。ひとたび細工に入ると、その背中には声をかけるのさえはばかられるような緊張感が漲る。逞しいがっしりとした体躯を張り詰めたような雰囲気が包み込む。
その一途な横顔は、まさに一つの道を極めようとする職人、自分の夢を追い求める男の真剣さに溢れていた。泉水は誠吉がそんな状態になると、できるだけ静かに物音すら立てないように細心の注意を払った。
その一途な横顔は、まさに一つの道を極めようとする職人、自分の夢を追い求める男の真剣さに溢れていた。泉水は誠吉がそんな状態になると、できるだけ静かに物音すら立てないように細心の注意を払った。