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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第12章 《巻の弐―待ち人―》
 この老医師には泉水は何度も世話になった。宗竹は毎日のように顔を見せ、泉水の様子を確かめる。
「そうじゃ、これを持ってきたぞ」
 宗竹に渡されたのは、鉢植えの夕顔であった。白い大輪の花が二つ、蕾が数個ついている。
「綺麗」
 泉水が歓声を上げて魅入ると、宗竹は笑った。
「誠吉は、わしを酒飲みの藪医者だと好いるが、これでも取り柄はあるのだぞ」
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