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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
 とはいえ、泰雅の手のついた女は巷にもいるというし、一度や二度の戯れ程度の相手ならそれこそ数えきれぬであろうから、一々詮索しても意味のないことかもしれない。お手つきの女どもをすべて屋敷から下がらせただけでも、泰雅の槇野家へのせめてもの配慮なのだろうと思う。
 泉水への非礼が槇野家への、引いては父源太夫への侮辱にもなりかねないというのは判らないでもないが、当の泉水がこのままで良いのだと言うのだから、ああまで気にすることはないのに。
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