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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第2章 巻の壱ー槇野のお転婆姫ー
 健康で成人していれば生涯の伴侶となったその若君は、一千石の旗本の若様で祐次郎といった。次男であったため、槇野家に養子に入り、その跡目を継ぐ手筈になっていた。
 もう記憶も朧になってしまったけれど、色白で細面の大人しげな若君だったように記憶している。家格としては槇野家の方が上ではあったが、泉水は祐次郎の歳に似合わぬ落ち着いたところや、争いごとを好まぬ優しげな気性に好感を抱いていた。
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