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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第16章 《巻の弐―花―》
 時折風もないのに、はらはらと花びらが舞い、水面に落ちる。池に放たれた鯉が軽く跳ね、水底へと消えていく。波紋の上に、薄紅色の花びらが音もなく降る。薄紅の花片を浮かべた水面が春光を弾き、乱反射している様は、まさに一枚の輝く布を見ているかのようだ。
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