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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第16章 《巻の弐―花―》
 その刹那、もう一人の自分が叫んだ。
 帰るのだ、帰らなければならない、ここは、私の来るべき場所ではない。
 泉水はハッと現(うつつ)に戻った。まるで悪い夢を見ていたような心地がする。自分はやはり、どうかしていたのだ、早く、早く帰らなければ。泰雅の待つあの榊原の屋敷に。
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