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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第16章 《巻の弐―花―》
 違う、この男は断じて祐次郎ではない。祐次郎は、こんなに―剣や槍を扱い慣れたような筋肉質の手ではなかった。これは、間違いなく刀を持つことに慣れた、鍛え抜かれたもののふの手だ。
 泉水の腰と胸に回された手に力がこもる。
「―!」
 泉水は渾身の力で僧の屈強な身体を押しのけ、離れた。
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