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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第16章 《巻の弐―花―》
 その夜、いつものように泰雅が泉水の寝所を訪れた。泰雅の裸の胸に引き寄せられ、頬を押しつけた泉水に、ふと泰雅が問う。
「泉水、どうした、今宵は随分と元気がないな。いや、ここのところ、ずっと塞ぎ込んでいるようだぞ? 何か、あったのか?」
 やはり、鋭い泰雅には気付かれていたらしい。泉水が依然として良人の逞しい胸に顔を伏せたままでいると、泰雅の大きな手がそっと泉水の黒髪に触れた。
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