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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第16章 《巻の弐―花―》
「今度逢うときは、必ずあなたを私のものにします。もう帰しませんよ。覚悟しておきなさい」
 そう言いおくと、くっくっと喉の奥で低く笑いながら、悠然と歩み去っていった。まるで本当に悪夢を見ていたかのようだった。
 頭上高く響いた鳥の鳴き声が、何故かひどく遠く、場違いなものに思えた。
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