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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第16章 《巻の弐―花―》
 そっと涙をぬぐう妻の背を泰雅は薄い寝衣越しに愛おしげに撫でた。
「何だ? 殊勝にしておるところもまた、なかなか新鮮で可愛いが、やはり、そなたには笑うておる方が似合うぞ? ほれ、そのように泣いてばかりいては、お転婆姫の名を返上せねばなるまい。時橋もたいそう心配していたぞ」
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