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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第16章 《巻の弐―花―》
 今宵、泰雅が突如として、このような話題を閨で持ち出した裏には、時橋が絡んでいるらしい。大方、泰雅に昨日の脇坂が訪ねてきた件やら、ここ数日の泉水の様子やらを話したのだろう。
 もちろん、切れ者の良人のことだ、たとえ時橋に言われずとも、泉水の態度の変化なぞ、とうから見抜いていたには違いない。
「―ん? 泉水、そなた、熱があるのではないか」
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