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第17章 《巻の参―幻(げん)花(か)―》

　内装からいえば、阿弥陀堂といったところだろう。むろん、一つしかない正面の扉は外から固く施錠されていて、押しても引いても、体当たりしても、ビクともしない。
　ただ、正方形の建物の丁度、左横に当たる壁には、小さな明かり取りの窓がある。連子をはめ込んでおり、連子窓(一定の間隔に細い材を取りつけた格子窓)のような仕組みになっているが、試しに動かそうとしてみても、こちらも当然ながら微動だにしなかった。