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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第17章 《巻の参―幻(げん)花(か)―》
「私が祐次郎を恨んだように、あなたは私を恨めば良いのです。祐次郎そっくりの姿をあなたの前にさらし、あなたを惑乱させ、あまつさえ乱暴しようとした私を憎みなさい。そして、憎む代わりに、けして哀れんだりはしないで下さい。私はもうこれまでに十分、口惜しい想いを味わってきた。あなたにまで今、哀れまれるのは屈辱だ」
徳円がつと振り向く。
考えていたことをはっきりと口にされ、泉水は視線を逸らした。