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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
「また、逢えるか?」
 男が訊ねてよこす。
 心なしか、男の声が先刻よりも掠れていた。
 男の声で、制止した時間が再び流れ出す。
「―はい」
 気が付いたら、泉水は頷いていた。
 何故だろう、初めて逢った男なのに、どうして、こんなに気になるのだろう。
 まるで胸の奥の鼓動が相手に気づかれてしまうだろうと不安になるほどに大きくなるのは、どうして―?
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