この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第17章 《巻の参―幻(げん)花(か)―》
十五歳で出家し仏門に入り、真面目に修行に打ち込み、師である浄円を初め、兄弟子(あにでし)たちからも可愛がられていた。
不遇な生い立ちらしかったが、当人が詳しくは話したがらなかったため、浄円も敢えて深く詮索はしなかった。
出家し僧籍に入るということは、俗世、つまり、この世のしがらみや大切な人との縁(えにし)をすべて絶つということでもある。今更、徳円の生い立ちを詮索したところで、何の意味もないと考えたのだ。
不遇な生い立ちらしかったが、当人が詳しくは話したがらなかったため、浄円も敢えて深く詮索はしなかった。
出家し僧籍に入るということは、俗世、つまり、この世のしがらみや大切な人との縁(えにし)をすべて絶つということでもある。今更、徳円の生い立ちを詮索したところで、何の意味もないと考えたのだ。