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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第17章 《巻の参―幻(げん)花(か)―》
ちなみに、僧徳円のその後の消息は依然として不明のままであった。泰雅がひそかに調べさせたところ、確かに随明寺の住持浄円の弟子の一人に徳円という若い僧がおり、年恰好も泉水の話していた男と似ていた。
浄円和尚の話によれば、徳円は六年前に寺の境内で行き倒れているところを修行僧の一人に助けられたのだという。よくよく身の上話を聞けば、身寄りもなく天涯孤独ということもあり、浄円は、剃髪して我が弟子となることを勧めた。
浄円和尚の話によれば、徳円は六年前に寺の境内で行き倒れているところを修行僧の一人に助けられたのだという。よくよく身の上話を聞けば、身寄りもなく天涯孤独ということもあり、浄円は、剃髪して我が弟子となることを勧めた。